AT限定で普通免許を取った方が簡単なのは明らかです。
そして、乗用車に乗るだけならAT限定で全く問題ないと私も思います。
でも「男ならMTでしょ!」「男なのにAT限定!?」という発想は今もあるのがネットを見てて分かります。「男+AT限定+ダサい」と検索されてますからね。
男性が検索してるのか、女性が検索してるのかは分かりませんが、どっちにしろ「男のAT限定はダサい」という概念が今もあることが想像できます。
ここでは、普通免許を「AT限定で取るかMTにするか」を男性の場合にスポットを当てて書いています。
多分に管理人の偏見が含まれていることをあらかじめご承知ください。
男性のAT限定免許について
私は平成11年(1999年)にマニュアルで普通免許を取りました。AT限定免許は1991年11月から始まっているので、私が普通免許を取ったときもAT限定はありました。
当時はまだ中型免許も準中型免許も無かったので、普通免許の上は大型免許でした。
トラックは大きさに関わらずマニュアルが当たり前だったし、乗用車でも好んでマニュアル車に乗る人も今よりずっと多かったし、男がAT限定で普通免許を取るなんて選択肢は「ほぼ無し」でした。
今ほどオートマの変速機の性能がよくなかったし、「オートマの車は高い」という時代でした。今は新車もマニュアル設定のある車の方が圧倒的に少ないです。
そんな昔話を聞いてもしょうがないので、
- AT限定で普通免許を取る人の比率
- AT限定のメリット・デメリット
- AT限定を解除する費用など
などを紹介します。
AT限定の男の比率
私が普通免許を取ってから約20年経った今は、かなり時代が変わっていることが警察庁の運転免許統計の数字を見ると分かります。
男女比までは分かりませんが、1年間の普通免許合格者と、そのうちAT限定で合格した人数が出ていました。
比較したのは、一番古い平成13年と直近の平成28年、その間の平成20年の3年です。
平成13年 | 平成20年 | 平成28年 | |||
---|---|---|---|---|---|
AT限定 | MT | AT限定 | MT | AT限定 | MT |
583,638 | 1,366,648 | 612,382 | 640,897 | 737,800 | 547,720 |
29.9% | 70.1% | 48.8% | 51.2% | 57.4% | 42.6% |
明らかにAT限定で普通免許を取る人の割合が増えています。
平成28年はAT限定の方が多いことに驚きました。
ついでに気になったので、普通免許の新規交付件数も見てみました。
平成13年 | 平成20年 | 平成28年 | |||
---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 |
768,432 | 784,717 | 501,586 | 530,112 | 597,830 | 553,604 |
49% | 51% | 48% | 52% | 52% | 48% |
ほぼ半々ですが、平成13年・20年はわずかに女性の方が多かったのが意外でした。
統計情報から想像できること
普通免許を取った人が男女がほぼ半々で、平成28年はAT限定の方が多いということは、相当数の男性もAT限定で普通免許を取っていることが想像できます。
AT限定のメリット・デメリット
メリット
- 運転操作がマニュアルよりかなり簡単
- 教習所での技能教習が3時限少ない
- 教習所の費用が少し安く、最短期間が2日短い
運転操作がマニュアルよりかなり簡単
AT車はアクセルとブレーキしかありませんから、マニュアル車と比べると運転操作はかなり簡単です。AT車で使うのは右足だけですが、マニュアル車は左足でクラッチを操作し、同時に左手でギアを操作しなきゃいけません。
簡単ですから、技能教習や検定を落とす可能性はマニュアルよりも低いです。
AT限定は「マニュアルに比べて簡単」というだけで「車の運転が簡単」というわけではありませんので勘違いしないでください。
教習所での技能教習が3時限少ない
↓このようにAT限定はMTより第一段階の技能教習が3時限少ないです。
AT限定 | MT | ||||
---|---|---|---|---|---|
第一段階 | 第二段階 | 合計 | 第一段階 | 第二段階 | 合計 |
12時限 | 19時限 | 31時限 | 15時限 | 19時限 | 34時限 |
教習所の費用が少し安く、最短期間が2日短い
第一段階の1日に受講できる技能教習は2時限までなので、AT限定より最短期間が2日長くなってしまいます。
合宿免許の費用もAT限定の方が少し(1万5千~2万円程度)安いです。
デメリット
- マニュアル車が乗れない
- 限定解除にかかる時間・費用が大きい
マニュアル車に乗れない
最近の乗用車は、ほとんどがATの設定しかありませんから、マニュアル車に乗れなくても不便はないでしょう。
ただ、トラックの場合は今でも大きいトラックほどマニュアル車の占める割合が大きいです。
でも、現行の普通免許の場合、準中型免許か中型免許を取らないと2トントラック以上は乗れないので、「トラックに乗ることがあり得ない」のであれば、デメリットにはならないとも言えます。
-
準中型免許とは?乗れる車と普通免許との違い
準中型免許が出来て、車の免許がまた複雑になってしまいました。 2007年に中型免許ができたときも戸惑いましたが、準中型免許で輪を掛けてややこしくなりました。 ここでは、今現在車の免許を取ろうと考えてい ...
トラックは乗らなくても、普通免許でも乗れるバン(商用車)を運転する可能性はあるかもしれません。
バンの中でもハイエースやキャラバンなどの荷物や道具を沢山積む車は、年式の古い車ほどマニュアルが多いです。
将来そういう車に「仕事で絶対乗らないとは言い切れない」ですから、やはりマニュアル車に乗れないのはデメリットだと思います。
限定解除にかかる時間・費用が大きい
普通免許のAT限定を解除するには、教習所で4時限以上の技能講習と検定を受けなければいけません。最低日数は3日です。
技能教習は教習所内だけで、最短だと4時限+卒業検定です。検定に合格すると「技能審査合格証明書」が貰えて、それを運転免許試験場に持って行けば限定解除できます。
「4時限 3日なんて楽勝じゃん」と思うかもしれませんが、4時限目のみきわめをクリアできなければ教習が増えますし、卒業検定で落ちると補習が1時限増えるので「4時限+検定+1時限(補習)+検定」になります。
費用は最低5~6万円ほどですが、教習時間が増えたり、検定で落ちると追加料金が必要です。
ちなみに、合宿免許のAT限定とMTの費用の差は1万5千~2万円程度です。
準中型免許を取るときも、普通免許のAT限定だと技能教習が4時限多いです。
AT限定 | MT | ||||
---|---|---|---|---|---|
第一段階 | 第二段階 | 合計 | 第一段階 | 第二段階 | 合計 |
8時限 | 9時限 | 17時限 | 4時限 | 9時限 | 13時限 |
マニュアル車に乗る機会あるの?
これは何とも言えません。住む地方、仕事で全然違うからです。
私の約20年の運転歴で言うと、「十数台のマニュアル車に乗りました」乗用車ではなく全部トラック・バンです。
AT限定が一般的じゃない世代だからなのかもしれませんが、仕事ですし「マニュアルに乗れません」なんて口に出せるわけもなく、最初は教習所のことを懸命に思い出しながら運転しました。
「運転する自信がない」のと「運転できない」のは別次元の話ですから、運転できた方が良いに決まっています。
「乗用車しか運転しないし」と思ってるかもしれませんが、仕事は何があるか分かりません。「トラック・バンに乗るような仕事はしない」と心に決めていても、
- 突発的にマニュアル車を運転しなきゃいけない業務があったら?
- 会社が新規事業で予期せぬことを始めて、自分が担当になったら?
- 海外赴任でマニュアル車しかないような国だったら?
- 将来失業したり、転職で止むを得ず運転する仕事を選ぶことになったら?
世の中に絶対が無い以上、マニュアル車に乗れないより乗れた方が良いと私は思います。
【まとめ】男性はAT限定・マニュアルどっちを選ぶべきか
男女差別と言われるかもしれませんが、男と女両方いて女性が「私AT限定なんで」と言うのと、男が「僕AT限定で乗れません」と言うのはやっぱり違います。
プライベートで乗る車は自由に選べますが、仕事だとそういうわけにいきません。
「ダサい」とか「カッコ悪い」とかそういう目線じゃなく、「乗れないより乗れた方が絶対良い」のは確かだし、費用で2万円、日数で2日の違いでAT限定が付かないのであれば、やっぱりマニュアルを選んだ方が良いと私は思います。
いかがでしょうか?ダサいとかそういう目線で選ぶのは馬鹿げてると思ってもらえましたか?