準中型免許が出来て、車の免許がまた複雑になってしまいました。
2007年に中型免許ができたときも戸惑いましたが、準中型免許で輪を掛けてややこしくなりました。
ここでは、今現在車の免許を取ろうと考えている方向けに、準中型免許の基本的なことを解説しています。
準中型免許とは
準中型免許とは2017年3月12日に新設された免許です。
これから車の免許を取る方は、普通免許と準中型免許どちらか選ぶことになります。普通も準中型どちらも、免許なしの状態から取れるので、それぞれの乗れる車や免許制度をよく理解してから決めましょう。
まず、普通免許と準中型免許の立ち位置から理解しましょう。
準中型免許を取れば普通免許で乗る乗用車も運転できますが、普通免許を取ると準中型免許の範囲のトラックなどは運転できないわけです。
普通免許と準中型免許の違い
普通免許と準中型免許の違いは、運転する車の最大積載量と車両総重量が違います。必ず車検証をチェックしましょう。
準中型免許 | 普通免許 |
---|---|
最大積載量 4.5トン未満 車両総重量 7.5トン未満 |
最大積載量 2トン未満 車両総重量 3.5トン未満 |
最大積載量・車両総重量のどちらかではなく、両方を満たしている必要があります。規格を超える車を運転する違反は、免許外運転に該当し、無免許運転になります。
無免許運転の罰則は、3年以下の懲役、または50万円の罰則、違反点数25点です。
上の写真の場合、最大積載量は3.1トンで準中型免許で運転できる範囲ですが、車両総重量が7.5トンを超えるので準中型免許では運転できません。
準中型免許で乗れる車
準中型免許で運転できるのは、2トントラック・3トントラックです。
準中型免許の規定に「最大積載量 4.5トン未満」とあるので、4トントラックも運転できると思われがちですが、実は準中型免許では4トントラックは運転できません。
現行の通称4トントラックは車両総重量が8トン未満になるように作られています。
だから、車両総重量7.5トン未満までしか運転できない準中型免許では、4トントラックは運転できません。(中型免許が必要です。)
同じ理屈で、2トントラックは現行の普通免許では運転できません。
普通免許の規定のに「最大積載量2トン未満」だから「普通免許で乗れるでしょ?」と思うかもしれませんが、2トントラックの車両総重量は5トン未満に作られていることが多いので、車両総重量3.5トン未満の普通免許では乗れません。
- 一般的な2トントラック
- 2トントラック規格で車両総重量が5トンを超える特装車
(ゴミ収集車・ユニック付きトラック・保冷車・高所作業車・散水車など) - 車両総重量が7.5トンを超えない3トントラック
メモ
↑2番目の総重量5トンを超える2トン車は、準中型免許新設前の普通免許(最大積載量 3トン未満・車両総重量 5トン未満)では運転できなかった範囲です。
準中型免許の費用と教習時間
準中型免許はオートマ限定の設定はなくマニュアルのみになります。
それぞれ、免許なしからの教習時間は以下の通りです。
準中型免許 | 普通免許(MT) | ||
---|---|---|---|
学科教習 | 技能教習 | 学科教習 | 技能教習 |
41時限 | 27時限 | 34時限 | 26時限 |
準中型免許の方が、学科1時限・技能7時限増えて、料金は5万~10万円くらい高くなります。
合宿免許の場合の最短日数も18日で普通免許(MT)の16日より2日長くなります。
準中型免許をいきなり取るか限定解除か
準中型免許を免許なしから取るか、普通免許を取ってから限定解除するかですが、
準中型が必要になる事が分かっているなら、いきなり準中型を取った方が時間・費用も少なく抑えられます。
普通免許からの限定解除に必要な教習時間は以下の通りです。
普通免許(MT) | 普通免許(AT) | ||
---|---|---|---|
学科教習 | 技能教習 | 学科教習 | 技能教習 |
1時限 | 13時限 | 1時限 | 17時限 |
技能教習をかなりたくさん受けなきゃいけない事が分かります。
合宿免許で限定解除する場合、最短で普通免許(MT)で6日、普通免許(AT)で8日もかかります。費用は15万~時期によっては20~25万円以上します。
【まとめ】準中型免許とは
準中型免許は小型のトラックを乗る仕事なら、必ず必要になる免許です。
「絶対にトラックに乗ることは無い」という方は普通免許で全然いいですが、「もしかすると先々乗るかもしれない」という方は、普通免許じゃなくて準中型免許を取ることも検討するべきでしょう。
運送関係以外でも、建築や電気・設備関係の仕事、製造業でもトラックに乗る機会はあります。
普通免許を取ってから限定解除しようとすると、時間も費用もかさんでしまいます。将来のことを踏まえて、よく検討してください。